レスコン2023観戦記

レスコン2023観戦記

本記事はKINKI KNIGHTS GWアドベントカレンダー3日目の記事です。 著者はレスコンソフト担当のmuneです.

この度アドベントカレンダーを執筆するにあたり、何かネタあったかな~と探した結果、昨年度のレスコン2023の感想をまとめていたものをリネームすることにしました。

かなり筆者の主観も入っており、記事というよりかはメモになりますが、楽しんで読んでいただいて今年度のレスコン2024にも注目していただけたらと思います。

大会総評

  • 2022年度大会から一新された屋内フィールドに対して、新しいアプローチをしようとしたチームが多かった印象。そのうえで新たなチームが参戦したりとチーム層も一新され始めている。
  • ダミヤンを救助できたチームはファイナルステージに進出したチームの中でも半数ほど。救助まで至っているチームは少ないながらも、救助できるチームは救助するまでの時間が早い。TASUKE隊などはそのおかげもあって1機ながらも高いポイントの獲得に成功している。
  • どのチームも無線通信トラブルが頻発していた。機器の規制の追加は無いと思うが、トラブルになった際の解決策は準備する必要があるかも。
  • レスキュー工学大賞を受賞したのはUP-RP。今回、9つある表彰のうち3つをかっさらう大健闘。
  • 参考記事:NHK兵庫 ニュース記事

他チームで気になったロボット・取り組み

  • 大阪工大 UP-RPの6脚ロボット

    • https://twitter.com/oit_uprp/status/1690326463109808128?s=20
    • 今年度ベストロボットを受賞。6脚での階段走破を見事やってのけ、段差走破への新しいアプローチとして認められたことが受賞理由。
    • 片側3本ある足を2本と1本に分け、3本で機体のバランスを取りつつ残りの3本で一段ずつ階段を安定して登っていた。
    • 階段走破に多くの時間を使ってしまうといった問題点はあるものの、新たな可能性の見える機体となった。
  • 産技短大 TASUKE隊の3号機

    • メカナムの4輪で動く車体の前方にカメラとダミヤンを抱え込む形の腕が付いたのみという非常にシンプルな機体(NHK兵庫のニュース記事内動画でダミヤンを救助している機体)。
    • 本番当日トラブルで3号機1機で臨むこととなったが抜群の操作性と操縦者の高い技量により、ベストパフォーマンス賞獲得に貢献。
    • 車体の大部分はホームセンターなどにあるプラスチックのコンテナを使用するなど、コスパ面も優れている。
  • ホビーロボットの8輪メカナムロッカーボギー

  • 芝浦工業大のコントロールスーツ

    • リーダーフォロワー制御で腕の動きをリンクさせている模様。
    • VRゴーグルを使い、操縦者の首の動きに合わせてカメラの傾き操作も行っている。
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企業ブースのアイデア

  • 企業ブース サンリツオートメイション
    • TPIP等を使っての遠隔操縦クローラロボット
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今年のレスコンフィールド

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  • ベッドの横の柵が救助の際にかなり邪魔になっていた印象。この調子で行くと今後全面柵で覆われている可能性も…レスコン2024では昨年同様の形で行われます。
  • ストーブの色の変化は肉眼で見ても分かりづらかった。カメラではそれ以上に見にくい可能性があるので、かなり注意したい。熱源も内蔵されているようなので温度で見分ける手段もあり。
  • 2022年度大会まではフィールドの向こう側に実況解説席が設けられていたが、今回の大会から観客席の後ろ側に移動していた。ただ、スピーカー音響の位置は変わっていないため、救助者の音声を取得する音声解析への影響は変わらずある模様。
  • ファイナルステージでは、手前の大瓦礫が暗室入口に置かれていた。機体で押し込んで奥のダミヤンにぶつかり、イエローフラグを食らっていたチームもいたので操作には十分注意したい。
  • ブレーカータスクはどのチームもアームで押し込んでいた。高さも決まっているため押すための専用機構もありだと思うが、突起になるため大会コンセプトである「やさしさ」からかけ離れる可能性が高い。

レスコン2024に向けて

 レスコンは「UP-RPのアイデア勝ち」と言っても申し分ない大会結果となりました。

 そうなった理由として一つ、「新しいアプローチ」という点がカギになってくると思います。今回UP-RPでは6脚ロボットという足回りの新しいアプローチが見られ、それがレスキュー工学大賞獲得につながりました。また、大会後のあいさつで奥川実行委員長もレスコン実行委員会として変化を望んでいるという風なコメントもありました。元々の大会開催理由からも、現実のレスキュー現場でも活躍するようなロボットのアイデアという点について新たな観点からのアプローチが求められていることでしょう。他チームでは、コントロールスーツや他機体での連携というアプローチを芝浦工大が積極的に見せてきています。

 そんな中で新たなアプローチの開拓チャンスがあるとするならば、「救助機構」もしくは「解析能力」の2点でしょう。圧迫せずにダミヤンの首を固定しつつ持ち上げるという動作はかなり難しく、現在の主流な救助方法は未だベルトコンベア式のチームが多いように思います。また各種解析機能についても、安定した解析結果を得ることが難しく多くのチームが難航している現状です。ここに新しいアプローチが見出せれば、大賞も遠くないのかもしれません。


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