ABSアセトン表面処理
本記事はKINKI KNIGHTS Advent Calendar 2024 13日目の記事です。 本記事担当は宇宙の子です。
皆さんこんにちは。KINKI KNIGHTSの宇宙の子です。 先日に続いて担当します。 最近樹脂にはまりいろいろ遊んでいます。その一つとしてABSのアセトン処理をやってみました。 表面処理関連でやりたいことがあと6個ほどあるのでいつか記事に出来たらな、、、って感じです。
さて、今回は簡単にやり方や使用材料等を紹介していきます。 何かの参考になれば幸いです。
はじめに
アセトンを使用したABSの表面処理は、化学蒸気平滑化と呼ばれ、印刷されたパーツを気化した溶剤にさらすことで、積層痕が薄くなり、滑らかで光沢のある表面を形成することができます。この処理を施すことで、パーツの外観を改善するだけでなく、機械的性能を向上させること可能です。
ABSについて
正式名称:アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂Acrylonitrile Butadiene Styrene
ABSは耐衝撃性、電気的性質、耐化学薬品性、耐油性に優れ、加工性にも優れています。しかし、ABSは3Dプリンタで印刷すると反りやすくひび割れしやすいです。これは急激に冷やさせることにより縮むためです。そのため、室温は出来るだけ温かくし、プリンターを段ボール等で覆い冷えずらくするときれいに印刷できます。また、印刷速度をさげ、フローを105%へと変更することでひび割れを軽減できます。
安全対策
今回使用するアセトンは揮発性が高く引火性があるため安全対策をしっかり行なう必要がある。そのため、実験を行なう際は必ず以下の物と環境を整えて行なう。
- 服装:長袖長ズボンの耐薬品性の物
- 十分な換気
- 消化器
- 安全メガネ
- 耐薬品性手袋
- マスク
用意する物
- 容器一つ (溶剤の影響を受けない物:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなど)
- アルミ箔
- キッチンペーパー
- アセトン(濃度90%以上)
- オブジェクト
- 3Dプリンタ(Ender3s1)
- ABSフィラメント(esun)
- 消化器
- 安全メガネ
- 耐薬品性手袋
- マスク
- ストロー
- ブラシ
方法
- ABS部品を印刷する
- マイクロニッパーで表面をきれいにする
3.アセトンの影響を受けない容器を用意し、容器にペーパーを引きアセトンをしみ渡せ、アルミホイルに部品を載せ入れ軽く蓋をする。 (オブジェクトBはブラシでアセトン付与を行なった。)
- 適当な時間で取り出し十分に乾燥させる。
※アセトン処理後は表面が柔らかくなっているので極力触らない。今回は1時間アセトン処理をし約12時間乾燥させた。
結果
実験条件
温度 | 16℃ |
---|---|
時間 | 1時間 |
オブジェクト A | 蒸気のみ |
オブジェクトB | ブラシでアセトン付与後蒸気 |
before
after
オブジェクトA
16℃の室温で1時間アセトンの容器に入れたときの様子です。 うっすら光沢が出た程度でほとんど変化がありませんでした。おそらく温度が低く上手く反応しなかったことが原因だと考えています。
オブジェクトB
Aの工程にプラスしてBはアセトンをブラシで付与しているため光沢が現れ、積層痕の接着は多少強固されたように見受けられました。
オブジェクトBにさらにアセトンを付与
後頭部の積層痕は比較的きれいに消えたことを確認できました。
まとめ
冬に換気して行なうとき室温がとても低くなるため、アセトンを直接付与させるて行なう方が良い事が分かる。また、容器を3Dプリンターのヒートベット等に置いて温度を上げることも対策の一つとして考えられる。 今後条件を調整して上手くいく方法を見つけたい。
ちなみに、現在アセトン処理の時間別の寸法変化を記録中。3種ほどの形状で、、良い感じにまとまったらいつか公開するかも、、、あと液体樹脂関連もいつか記事にするかも、、、
樹脂で遊んで最終的に生き物再現したいという欲求が、、、
明日はらーめんおじさんによる「レスコン2024 本番通信事情とレスコン2025に向けて」です!おたのしみに!
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