CoRE開発状況レポート

 CoRE開発状況レポート

本記事はKINKI KNIGHTS Advent Calendar 2024 19日目の記事です。 本記事担当代表はまぁるいたこ焼きです。

みなさん、こんにちは。KINKI KNIGHTSのまぁるいたこ焼きです。 前回の記事の公開から約2週間ほどたちました。前回は全く技術に関係のない記事でしたが、今回はさすがに技術に関するものを少し書こうかと思います。 というわけで、今回は新たに参戦となった「The Championship of Robotics Engineers」、通称CoREに向けての開発状況についてCoREプロジェクトマネージャーの私からお話ししようと思います!

CoREについて

image.png (71.5 kB) 「The Championship of Robotics Engineers」、通称CoRE(コア)とは次世代のエンジニア”挑戦的共創人材”を育成するための、ロボット競技を核としたエンジニア選手権です。 10歳以上から参加可能で、小学生から社会人まで多数のエンジニアが参加しており、チームでロボットを開発し大会に臨みます。 また運営側からのロボットキットの貸し出しやチーム運営に関する賞があるなど、初心者でも楽しみながらエンジニアリングとチームワークを総合的に学べる場として規模を拡大している新たなロボット競技大会になります。 競技ルールは協力と戦略が鍵となる同盟バトル方式で、負けたチームが勝ったチームに加わり、協力して次の試合に挑みます。 チーム間の駆け引きや協力、大会までのルールメイキングも重要かつCoRE特有の要素です。

競技内容はロボットに搭載したカメラの映像を見ながらロボットを操縦し、互いにフライングディスクを当て合いながら相手の陣地を取りに行くまるでFPSシューティングのような試合が繰り広げられます。 限られた視界をチームワークと技術で補い、esportsさながらのエキサイティングな対戦を展開します。

公式サイト:https://core.scramble-robot.org/

KINKI KNIGHTSとして

KINKI KNIGHTSではCoREに向け、約10人のチームを結成しました。 元の所属もバラバラの人たちが集まることで、様々なノウハウが集積され開発に関する良い議論が出来ていると思います。

機体開発方針

今年度は大会初参加ということもあり、まずは出場できることが第一優先です。 その上で、大会でうまく立ち回るためにはどういう機体が必要なのかをまずチームで話し合いました。 コンセプト・アイデアに関する話し合いは今年度のルールブックが公開される前に行われましたが、前年度のルールブックを参考に機体コンセプトを以下のように決定しました。

機体・戦術のコンセプト 遠距離から精密な狙撃を行うスナイパー型アタッカーロボット

遠距離型のロボットにした理由は次のような利点を加味しました。

  • ダメージを受けづらい 相手の射程範囲外から一方的に攻撃が可能であるため、被弾回数が少なくなる
  • 視界の確保ができる 他機体よりも離れて戦うため、戦況を俯瞰で確認できる
  • 機体としての融通が利く 飛距離に関して本年度の経験を通じて得られた知見を、 次年度以降の発展にも応用することが出来る

コンセプトを達成するべく、機体の中でも重要な2つの機構に関する仕様を以下のように定めました。

ディスク射出機構

遠距離から相手機体・陣地を狙う

  • 機構アイデア:2本のベルトでディスクを押し出す
    • 前年度の出場チームや学ロボなど,複数種類の射出機構を参考にした結果,ベルト機構が合理的と判断した

足回り機構

加速・減速に優れた足回り

  • 機構アイデア:4輪オムニホイールによる全方位移動機構
    • 射出機構の精度を確保するべく、低重心かつ重心変化の少ないものである必要があるため

これらを制御するシステム構成は以下のようになります。

  • 制御系統と画像処理系統を二分化

    • レスキューロボットコンテストでシステムを実装した際、処理が重くラグが大きかったことから、系統を分けることに
  • 非常停止基板を設置

    • 駆動電源遮断モジュールが作動したかどうかをチーム側でも確認できる
  • システム構成図 image.png (44.4 kB)

  • 電源周りの構成 image.png (47.2 kB)

また、今年度から新たに2種類の機体が登場することになりました。 そのうち、ストライダーの開発をどうしても行いたいというメンバーの声に合わせ、ストライダーの開発も新たに進めています。

ストライダー開発方針

  • ルールブックに合わせ、各脚は2自由度で設計
  • 想定重量:20kg
  • 各リンク長は200mm以上
    • 腿:220mm
    • 脛:270mm
  • アタッカーの開発への負担を軽減するため、加工リソースの削減・加工スケジュール時期をずらすなどの配慮

また、弊チームの開発費用はチームメンバーの自費で出し合って行うため予算も大幅に上げられません。 そのため、以上の2機体の開発予算は運搬経費等も含め当初50万で策定し、ストライダーの開発に合わせ追加予算3万円を含んだ合計53万円で開発していきます。

現在の開発状況・スケジュール

弊チームはオンラインで開発を行うため、開発進捗を管理しづらいという問題があります。 それを解決するため1週間に1回進捗会議を行い、開発進捗の共有とスケジュールの確認、購入物品のリストアップを行っております。 会議の内容はesaを用いて議事録という形で保存し、購入物品は団体内の購入物品リストを用いて管理しています。 自律的なチームのための情報共有サービス esa:https://esa.io/

  • KINKI KNIGHTS会計シート スクリーンショット 2024-12-19 205704.png (110.2 kB)

現在はアタッカー・ストライダー両機体ともおおまかなCAD設計が終了し、加工へ進んでおります。

  • アタッカーCAD image.png (481.2 kB) image.png (761.7 kB)

  • ストライダーCAD image.png (323.3 kB)

アタッカーのモータにはレスコンに引き続き、マブチモーター株式会社様よりモーター提供のご支援を頂きます。 資金の確保が困難である我々にとって、ありがたい支援となります。この場をお借りして感謝申し上げます。

マブチモーター株式会社様HP:https://www.mabuchi-motor.co.jp/

今後の大まかなスケジュールは以下の通りです。 また、2月23日には同じくスポンサーである株式会社ロボライズ様のイベントに出展させていただく予定です。

株式会社ロボライズHP: https://roborise.com/ 皆さんへ機体がお披露目できるよう今後も開発を進めていきます。

  • 12月末
    • ストライダー組立完了
      • 宙づり状態での動作確認・剛性の確認
    • アタッカー年内足回り加工完了
    • 12月30日
      • エントリーシート提出締切
  • 1月
    • ストライダー補助有歩容生成
    • アタッカー全体組み上げ→配線・制御実装
  • 2月
    • ストライダー補助無歩容生成・段越え調整
    • アタッカー制御実装・バグ修正
    • 2月23日
      • ルールメイキングワークショップ(オンライン開催)
      • ロボライズ祭り展示
    • 2月24日
      • 審査動画撮影
  • 3月
    • 3月7日
      • 動画提出締切
    • 3月29日・30日
      • 本番

最後に

最後までお読みいただきありがとうございました! ようやく技術っぽい記事が書けました… まだまだ完成に向けて進めてまいりますので、皆様応援のほどよろしくお願いいたします!

明日はらめおじ(ramen_ojisan)さんによる、CloudFlareを用いたロボコンリモート開発についてです!

KINKI KNIGHTSのリモート環境での開発を支えているといっても過言ではないシステムの紹介です、皆様お見逃しなく!

今後も、KINKI KNIGHTSとアドベントカレンダーをよろしくお願いいたします!!

お知らせ

KINKI KNIGHTSでは現在、クラウドファンディングを行っております。

皆様の支援がCoREなどの大会開発費用につながります。ご支援のほど、よろしくお願い致します!


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